研究概要 |
本研究は、チベット学に於ける古典学の再構築を目指し、チベット大蔵経とチベット蔵外文献の各々について以下の二点より研究を遂行することを目的とする。-1.従来明らかになっている主要文献の整理。(即ち、目録、解題、批判的校訂本、翻訳、データベースの作成)。2.未入手文献の入手。- この目的に沿って平成12年度に得られた成果は以下の如くである。 1.従来明らかになっている主要文献の整理。-特に、研究代表者御牧の分野研究として宗義文献を初期(仏教前記伝播期:9世紀中頃まで)、中期(10〜16世紀)、後期(17、8世紀)の三段階に分け、平成12年度には中期宗義文献を集中的に取り扱い、かなりの部分の整理を終え、主要なものについてはデータベースを作成した。研究代表者御牧のもう一つの分野研究であるボン教研究については、14世紀のボン教教義文献『ボン門明示』に引用されこれまで同定されていない文献について,平成12年度に購入されたボン教のカンギュル中に調査を行ったが、特に思わしい成果は得られなかった。平成13年度に到着する予定のボン教のテンギュル中に同じ作業を継続する必要がある。 2.未入手文献の入手。待望のボン教のカンギュルを購入設置した。また、PL480/SFC Collectionsにて出版されたチベット蔵外文献の最新の部分(Set XIV)をマイクロフィッシュで購入設置出来たのは幸いであり、研究の進展に大いに役立った. 平成12年度もフランス、パリへ短期海外出張しCNRSのチベット人Samten G.Karmay教授とボン教文献について共同研究を行うことが出来、有益であった。
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