研究課題
先進的核融合炉の実現のためにはプラズマの高性能化と定常化が不可欠である。核融合科学研究所で進められている大型ヘリカル装置(LHD)に代表されるヘリカルシステムは定常化に最適な核融合炉であり、そのプラズマの物理は環状閉じ込め物理の幅広い解明にも寄与するものである。また、プラズマの閉じ込めは閉じ込め磁場構造の形態によりその性能が大きく左右されるので、種々の配位での研究が不可欠であり、国際的な研究協力が必須である。LHDは、連続巻きコイルのヘリオトロン型であり、一方、ドイツで研究が進められている計画はモジュラー型である。さらに、スペイン、オーストラリアではヘリアック型の研究が進められており、国際的なネットワークを通じて、LHD国際共同実験計画(LIME)を推進してきている。本研究は国際エネルギー機関(IEA)のもとでのステラレーター実施協定に基づいて推進されてきている国際共同実験計画を推進するものであり、日本を議長国としてヨーロッパ(ドイツ、スペイン)、アメリカ、オーストリア、ロシア、ウクライナの代表者から構成される国際的な執行委員会からの助言のもとで推進されてきている。年2回程度の国際執行委員会開催時には、本研究計画の報告と今後の進め方に関する討論を行ってきている。平成13年度は、2月にオーストラリアのキャンベラでの国際ステラレーター会議にあわせて国際ステラレーター執行委員会が開催され、ヘリカルシステム研究のサーベイと今後の国際協力研究の進め方に関する明確な合意を得た。総括班では、個々の研究課題に関連する研究者を中心に派遣・招聘、及び、一部の研究課題についての支援を行ってきた。平成12年度には、ドイツ、アメリカ、オーストラリア、ウクライナ等への20名近くの派遣と、アメリカ、ドイツ、ロシア、ウクライナ、アメリカ等からの15名程度の招聘を行い、ヘリカル型プラズマの物理や工学の研究を深めることができた。また、本年度はアメリカにおけるテロの影響で研究者の派遣、招聘計画が一部キャンセルとなり計画推進に支障が出たが、海外の研究者とも打合せて定常磁束計測用の冷凍設備を購入し、研究を促進することができた。
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