研究課題/領域番号 |
11211201
|
研究種目 |
特定領域研究(B)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 康夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00013483)
|
研究分担者 |
廣田 和馬 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90272012)
伊藤 晋一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (00221771)
神木 正史 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30004451)
木村 宏之 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (50312658)
武田 全康 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70222099)
|
キーワード | 「MARI」分光器 / 「MAPS」分光器 / 高エネルギー非弾性中性子散乱 / 1次元梯子磁性体 / 2次元量子磁性体 / 高温超伝導 / 磁気励起 / 磁気構造 |
研究概要 |
過去10年以上続いて来た日英中性子散乱研究は本年から色々の意味で新しいフェイズに入って来た。この間共同研究では「MARI」と名付けられた非弾性中性子散乱を目的とする新しい分光装置の建設とそれに依る研究が主たる目標であったが、特に磁性体研究の分野で待望された高エネルギー中性子散乱の重要なデータを世界に初めて出す事が出来、大きな反響を得た。この研究の成果は単に新しい装置の完成に止まらず、単結晶を用いて、しかも低次元磁性体では最も効率良く実験できる事を世間に示す事が出来たことである。この研究成果に刺激されて、日英を中心に新しく磁性研究をターゲットに置いて、依り先端的な研究が可能と成る2次元検出器を隙間なく小角の散乱面に隙間なく並べ、かつ単結晶からの散乱を効率良く測る「MAPS」分光器を製作する事になり、予定では本年度に完成し引き続き装置の調整に入る事に成っていた。装置の特性を知る為の予備的な実験が始る予定であったが、予定外の中性子検出器の性能不良の為に調整に多くの時間を取られて未だに装置全体の性能を知るデータ採取迄には至っていない。 一方、「MAPS」以外の分光装置を使用する研究は例年通りの成果が出た。この研究の多くは日英中性子散乱研究として研究班を初めとして、国内の物性研究者に実験課題申請公募をしこれらの研究提案を装置利用を進めるイギリス側のプログラム委員会を通す過程を経て、採用された実験課題のみが実施されることに成っている。 本年度に採用されて、成果の出た研究は1次元梯子物質や2次元量子磁性体で代表される低次元反強磁性体のスピン励起や磁気多層膜の磁気構造研究、さらに銅酸化物の高温超伝導体のスピン揺動などの研究成果が出されて世界のトップの水準を維持する新しい結果が産まれている。
|