研究課題
今年度は本特定領域の最終年度であり、当初の目標どおり、班内研究における利用頻度が最も高いDNAチップについて、その消耗品代、チップ基幹データベース構築費用としてほとんどの予算を使った。チップについては本来、新しい技術的革新を班内で推し進めることを意図して導入したものであったが、白髭らによりこの装置を用いた「一本の染色体のダイナミクスを捉える技法」としてのChIP-chip法の構築と、それを元に発見した新しい複製のパラダイム(複製フォークの自律的停止機構)がnature誌へ掲載されたのを始め、松浦-白髭の研究成果がMolecular Cellに、そのほか、太田-白髭らの研究では「如何にして、減数分裂時組換えのホットスポットは選択されるか」という非常に重要かつ本質的な問題に対する解答を得つつあり、未だ論文にまとめられてはいないものの必ず重要な発見に結びつくであろう成果が得られている。これらの研究成果は一部http://everythingchromosomevi.gsc.riken.go.jpを通じて公開している。また、2003年度導入の質量分析装置についても、土屋-白髭、菊池-白髭、太田-白髭らの間で、有効に解析に用いられた。以上の技術は、本研究計画終了後も、それぞれの研究者間で有効に使われていくと思われる。総括班としては、9月に例年通り班会議を行い、個々の班員の研究成果を評価すると共に、来年度の研究成果発表の形式についても意見交換した。さらに、各々の研究成果を論文にまとめることを強く指示した。その甲斐あって、それぞれが重要な研究成果をまとめ上げることが出来た。
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