研究課題/領域番号 |
11240101
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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研究分担者 |
大西 淳之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40261276)
梁 幾勇 東京大学, 医科学研究所, 講師 (70332583)
佐藤 博 金沢大学, がん研究所, 教授 (00115239)
山本 俊輔 別府大学, 栄養学科, 教授 (90040188)
久野 耕嗣 金沢大学, がん研究所, 助教授 (40242565)
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キーワード | MMP / ADAM / 細胞外マトリックス代謝 / 増殖因子 / 浸潤・転移 / 基質 / 形態形成 |
研究概要 |
本領域研究では(A01)「MMPの機能解析」と(A02)「ADAMの機能解析」の2つの研究項目を設定し、7名の計画研究代表者による相互の情報交換と連携により、個々の研究推進とともに共同研究を行ってきた。これらの研究項日で得られた本年度の主な研究成果は以下の通りである。(1).細胞膜上で働くMMPの機能解析:MT1-MMPはCD44との結合により細胞運動能を制御し、シンデカン-1の切断とシェディングにより癌細胞の浸潤・転移に促進的に働くことを示し、その活性は脳プロテオグリカンのN-Tesとの結合で阻害されること証明した。一方、分泌型MMPの代表であるMMP-7はCD151と結合するごとにより細胞膜上で活性化され、MMP-7にもMT-MMPと同様に細胞-細胞外マトリックスインターフェイスにおけるプロテオリシス機構が存在することを示した。(2).MMPの新規機能解折:癌転移抑制遺伝子産物であるKiSS-1タンパク由来ペプチドのメタスチンはMMPの切断により不活化されることを見い出し、MMP阻害剤との併用によりメタスチンはより効率良く癌細胞の運動を抑制することを示した。(3).ADAMTS分子の機能解折:ADAMTS4はフィブロネクチンとの結合で細胞膜上に局在するとともにアグリカン分解活性が阻害され、細胞-細胞外マトリックスインターフェイスでADAMTS4の活性が調節されることを明らかにした。(4).膜型ADAM分子の発現と機能解析:膜型ADAM12はグリオブラストーマに選択的に高発現し、腫瘍細胞の増殖とHB-EGFの分泌に関わっていることを明らかにした.また、ADAM8を肝臓で高発現するトランスジェニックマウスでは好中球浸潤の抑制とL-selectinのシェデイング亢進が示された。
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