研究課題/領域番号 |
11306012
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大熊 幹章 九州大学, 農学部, 教授 (80011906)
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研究分担者 |
松村 順司 九州大学, 農学部, 助手 (70243946)
森田 光博 九州大学, 農学部, 助教授 (30038301)
小田 一幸 九州大学, 農学部, 助教授 (10045130)
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キーワード | 知能性材料 / 木材 / 木質材料 / 吸放湿性 / 膨張収縮 / 床構造 / 荷重とたわみ / 曲げ剛性の変化 |
研究概要 |
今後の「材料」には、省エネルギー性、低公害性に加えて使用時の高信頼性と解体・廃棄時の易分解性という相反する性能の保持、さらに人間の感性への適合性など、全く新しい性能が要求される。これらを完全に満足する材料、すなわち知能性材料を我々は末だ手にしていないが、木材・木質材料には本来的にインテリジェント機能が備わっているものと考える。 本年度は、木材の知能性材料としての可能性を探る研究の第一歩として、(1)木材の吸放湿による寸法(形状)変化、(2)木材の荷重に対する繊細な反応、という2つの特性を取り上げ、知能性材料という観点から基礎的実験研究を行った。 (1)については、まず木材の水分変化による収縮機構をLV-SEMを用いて仔細に観察し、細胞レベルでの形状変化を明らかにして、収縮過程で自己発生するエネルギー量を推定した。次いで収縮率の異なる素材を用いて2プライ積層材を作り、吸放湿によって生じる反りについて理論的、実験的に検討し、この自己変形性の拡大と実際への応用を考えた。 (2)については、荷重の増加とともに剛性が増大する梁・梁構造を3タイプ考察し、理論と実験からその性質を検討して荷重によらずたわみの変化の少ない床構造の開発を目指した。このような床構造が実現すれば、1人乗っても10人乗ってもたわみをほぼ一定に保つことが可能となり、硬すぎない柔らかすぎない居住性に優れた木質床が得られる。 そのほか、木材の燃焼性・腐朽性を周辺環境に対する木材の反応と考え、使用時の信頼性、解体・廃棄時の易分解性の両立という観点から考察を行った。
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