地域社会における自閉症・知的障害児者の生涯ケアに関する実践的研究(2)-家庭教育・学校教育・施設ケアにおけるTEACCHプログラムの展開-

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11410067
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 北海道教育大学
• 研究代表者: 古川 宇一 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 教授 (10090424)
• 研究分担者: 長 和彦 旭川肢体不自由児総合療育センター, 院長 ; 大場 公孝 おしまコロニー, 理事長 ; 木村 健一郎 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 教授 (80002559)
• キーワード: TEACCHプログラム / 自閉症 / 障害児教育 / 地域社会 / 生涯ケア / 家庭教育

研究概要

本第2次3ヵ年計画第1年目は,第37回日本特殊教育学会(札幌)教育講演において、第1次3ヵ年計画の成果と課題、第2次3ヵ年計画の方向を示した。論文としては共同研究者の他、研究協力者38名の協力を得て、13編を「情緒障害教育研究紀要19号2000年」(北海道教育大学旭川校障害児教育研究室発行)69ページから200ページにまとめた。
初年度は、函館・旭川両地区でTEACCHプログラムの実践を引き続き蓄積すること、「地域、生涯、家庭、適切さ、一貫性、継続性、チームワーク、リレー」というTEACCHプログラムの特徴をもつ実践の展開、ホームページの開設およびインターネットによる相談活動をめざした。函館地区では、おしまコロニーにおいてTEACCHセンター機能を担う地域センターが設置され活動を始め、幼児期通園施設、居住施設で引き続きTEACCHプログラムの実践が深められている。学校教育にあって北海道教育大学付属養護学校(函館)においてTEACCHプログラム導入が試みられ、市内小学校特殊学級においてもTEACCHのアイデアを用いた実践が始められている。旭川地区においては市内小中学校各1校において引き続きTEACCH的実践の共同研究が行われた。また、自閉症児、自閉傾向児を含む市内情緒学級退級児の予後について調査を行い、学校教育終了後を含む生涯ケアの必要性が示された。旭川周辺地区2養護学校が共同研究に参加し、養護学校における地域交流、生涯ケア、個別指導計画の実践が報告された。旭川肢体不自由児総合療育センターでは、自閉症児・多動児への母子短期入院を実施し、Multi-disciplinaryな評価と指導を行った。北海道教育大学函館校障害児教育研究室ではホームページを作成しており、旭川校障害児教育研究室、おしまコロニー、旭川肢体不自由児総合療育センターでもホームページを開設している。

研究成果

• [文献書誌] 古川宇一,木村健一郎,長和彦,大場公孝: "地域社会における自閉症・知的障害児者の生涯ケアに関する実践的研究(4)-幼児教育・学校教育・医療・施設ケアにおけるTEACCHプログラムの展開"情緒障害教育研究紀要. 19号. 69-76 (2000)
• [文献書誌] 村川哲郎,大場公孝: "幼児期におけるTEACCHプログラムのアイディアの導入つくしんぼ学級の実践を通して"情緒障害教育研究紀要. 19号. 77-85 (2000)
• [文献書誌] 寺尾孝士,大場公孝: "居住型施設におけるTEACCHプログラムの実践"情緒障害教育研究紀要. 19号. 85-92 (2000)
• [文献書誌] 志村克美,矢口明,中村誠司,鳴海友紀恵,渡邊倫,木村健一郎: "養護学校(知的障害)における自閉症児指導法に関する実践的研究(1)-学習の構造化と保護者との連携-"情緒障害教育研究紀要. 19号. 93-99 (2000)
• [文献書誌] 畑中雅昭: "TEACCHプログラムの手法を取り入れた個別指導-小学校特殊学級での事例研究、レポート1"情緒障害教育研究紀要. 19号. 100-106 (2000)
• [文献書誌] 谷川忍,富岡郁,土屋智子: "小学校特殊学級におけるIEPに関する一実践-個に応じた指導の充実を目指して-"情緒障害教育研究紀要. 19号. 107-116 (2000)
• [文献書誌] 富士本桂子,早瀬伸子,五十嵐慈保子,小林一恵: "障害児学級のTEACCHプログラム的指導-個別時間割に取り組んで"情緒障害教育研究紀要. 19号. 117-124 (2000)
• [文献書誌] 佐藤満雄,浅岡美晴,加藤勝,相蘇敏,長谷川利雄他: "21世紀に羽ばたく養護学校をめざして-北海道東川養護学校における就学相談、居住地域交流、進路支援の実際-"情緒障害教育研究紀要. 19号. 125-132 (2000)