研究課題
本研究に期待される国際学術上の貢献は、ロシア正教会日本宣教団の歴史的意義、とりわけ日本における正教会を半世紀にわたって率いた宣教師ニコライの事績を解明することにあろう。平成12年度における最大の研究実績は、国内外における宣教師ニコライ研究の第一人者で本研究の分担者をつとめる中村健之介によって、膨大な『宣教師ニコライの日記:1870〜1880 ロシア帰国時の全日記』の翻訳が本研究の「研究成果報告書別冊(I)」として北海道大学スラブ研究センターから2001年2月に出版されたことである。今年度の研究集会は、平成12年10月(明治大学)と平成13年3月(大妻女子大学)の2回開催され、研究代表者、各研究分担者のほか2名の研究協力者がそれぞれの研究テーマをもって積極的に参加したが、とくに3月の研究集会では各参加者が中村の訳業を精読し、それを素材にしてそれぞれの視点から論評を加える形式をとった。そこでの論評と討論は、訳注・人名索引を掲載する予定の近刊「研究成果報告書別冊(II)」に活かされることになっている。また、10月と3月の研究集会に提出された各参加者のペーパーは前年度の国際シンポジウムにロシアから招聘した2名のゲスト・スピーカーによる研究発表とともに、次年度の早い時期に刊行物にまとめる予定である。また、次年度の国際シンポジウムに向けてのゲスト・スピーカーについて企画から折衝にいたる招聘準備をすすめた。
すべて その他
すべて 文献書誌 (8件)