研究課題
本研究に期待される国際学術上の貢献は、ロシア正教会日本宣教団の歴史的意義、とりわけ日本における正教会を半世紀にわたって率いた宣教師ニコライの事績を解明することにあろう。平成13年度におけるこの面での成果としては、中村健之介によって昨年度訳出された『宣教師ニコライの日記 : 1870〜1880ロシア帰国時の全日記』の注解が本研究の「研究成果報告書別冊(II)」として北海道大学スラブ研究センターから今年度末に出版されることである。また、本研究はスラブ研究センターの今年度夏期(2001年7月)および冬期(2002年1月)の国際シンポジウムに合わせて、ゲストスピーカーとしてウラジオストクからYu. V. アルグジャエヴァ、ペテルブルグからN.A.サモイロフの両ロシア人研究者を招聘し、それぞれ「極東の東スラブ人の正教と宗教グループの満州への移民」(夏期)、「中国におけるロシア宣教団、その歴史と近年の研究」(冬期)について研究報告を聴く機会をもった。このような場を設けることにより、当該分野における国際学術交流を高い水準に引き上げることができたのは大きな収穫であった。最終年度を終了するに当たって取りまとめる研究成果報告書には、上記外国人による2本のペーパーを収録することにした。
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