研究課題/領域番号 |
11410123
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩川 徹也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00109050)
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研究分担者 |
中地 義和 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50188942)
月村 辰雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
田村 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011379)
辻部 大介 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (30313183)
塚本 昌則 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90242081)
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キーワード | モラリスト / 断章 / 詩学 / 人間学 / パスカル / ラ・ロシュフコー / 格言詩 / アフォリスム |
研究概要 |
前年度にその外延を定めたモラリスト文学のコーパスに基づき、主として17・18世紀の古典モラリストの著作を、BNFの提供するマイクロフィッシュにより大量に収集した。さらに、各研究分担者は、前年度の研究を継承しながら、各時代のモラリストと文学創造の接点を探るとともに、現代に視野を広げて、20世紀文学における断章形式の意味を探究した。各分担者が従事した研究は以下のごとくである。1.ルネサンスから17世紀初頭にかけて広く製作された4行の格言詩を、わが国の道歌との関係において考察した(月村)。2.17世紀の古典モラリストにおける、判断力と想像力の関係を、パスカル、ラ・ロシュフコーに則して検討した(塩川)。3.今日一般に社会科学の古典として位置づけられる18世紀のいくつかの著作は、社会科学の透明なディスクールとは一線を画するモラリスト文学として捉えることができる。その観点からモンテスキューとルソーの著作を考察した(辻部、佐藤)。4.ロマン主義の台頭と軌を一にして出現する「内面の日記」を研究した(田村)。5.19世紀文学の中でも、モラリスト的伝統にもっとも接近していると思われるボードレールの散文詩『パリの憂鬱』を、パスカルやラ・ロシュフコーの強調した「自己愛」の観点から考察した(中地)。6.20世紀文学におけるアフォリスムの役割と意味を、ヴァレリー、バタイユ、シオラン、バルトなどの作家の仕事に則して検討した(塚本、福田、Devynck)。
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