研究課題/領域番号 |
11410123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
仏語・仏文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩川 徹也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00109050)
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研究分担者 |
中地 義和 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50188942)
月村 辰雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
田村 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011379)
辻部 大介 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (30313183)
塚本 昌則 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90242081)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | モラリスト / 断章 / 詩学 / 人間学 / パスカル / ラ・ロシュフーコー / 格言詩 / アフォリスム |
研究概要 |
ヌヴェル・クリティック以降、フランスでは、思想と文学の双方の領域で非連続的なディスクールへの関心が高まり、ソクラテス以前の哲学者の断片から、20世紀フランスのバタイユ、『カイエ』のヴァレリー等に至るまでの様々なテクストが、新たな脚光を浴びることになった。このような動向に応えるかのように、1970年代の後半から、17世紀のモラリスト研究においても、新しいアプローチが試みられるようになった。第一に、モラリストの考察対称である人間とその習俗moeursについて、思想史・宗教史・心性史等の近年の成果を踏まえて、近世ヨーロッパとくにフランスにおいて人間及びその情念・性格・習俗がどのようなものとして捉えられていたかを、広価囲の文献を通じて明らかにしようとするやり方、第二に、古典修辞学の再発見を階まえて、モラリストの作品に特徴的な断章と非連続的なディスクールの類型と意味を、連続的なディスクールとの対比で考察するやり方である。本研究は、以上のような動向を念頭に置いた上で、それを時間的に拡大するばかりでなく、日本という非西欧の視点から問題を捉えなおそうとする試みであった。狭義のモラリスト文学の枠には収まらないが、断章形式と深い関連を有する.「散文詩」がフランス文学の影響の下に、日本において何時どのような状況で誕生し、発展したかを追跡した研究分担者中地の仕事は、その一つの成果である。研究代表者塩川も、パスカルの思想と作品について、それがどのように日本でモラリスト文学として受容されたかを、フランスで発表した。さらに2001年11月に国際セミナー「断章の詩学と人間学」を開催し、本研究分担者および外国人招聰研究者によって研究発表が行われ、刺激的な議論が交わされた。その内容はわれわれの報告書冊子にまとめられる。なお、今回の補助金によって古典モラリスト関連の文献資料を整備することができたことを付記する。
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