研究課題/領域番号 |
11420002
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三成 賢次 大阪大学, 大学院・法学研究科, 文部科学教官教授 (90181932)
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研究分担者 |
岡田 章宏 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70185429)
松浦 好治 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40104830)
中尾 敏充 大阪大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30155668)
石部 雅亮 大阪国際大学, 政経学部, 教授 (90046970)
角田 猛之 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (10155434)
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キーワード | 近代法 / 法学 / 法秩序 / 法文化 / 法律家 / 法学部 / 法曹 / 大学 |
研究概要 |
今年度は、これまでと同様に引き続き、それぞれの専門領域で各国(日本、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ)の19世紀を中心に歴史統計資料(データ、文献など)の収集を行い、共同研究に必要な基本情報を蓄積し、構築する作業を行った。当該データについては、研究会で策定した基準とフォームに従って入力作業を進めた。 定期的な研究会では、各担当者からの研究報告について比較法史的な視点から批判的に検討し、さらに研究を深めていく作業を続け、また1月に実施した研究合宿では、データの分析やそれをふまえた比較法史的な観点からの検討を集中的に行った。 統計データとしては、人口変動を押さえることからはじめ、まず、法学・法律家のインフラの整備状況を比較史的に把握するために、各国における大学数、法学部の設置数、学生数の変動を確認し、弁護士や裁判官などの法曹人口の変化を検討した。つぎに、法学的教育を受けた者の社会的影響力を統計的に把握するために、中央と地方における官吏の数的変動を、また法秩序の制度化を量的に把握するために、議会における制定法数の時代的増減を、それぞれ確認した。 本研究を通じて、関係統計資料を検索し、収集する作業を進めてきたが、日本では近代化が始まった当初から統計資料が整備されており、それに対して西欧では19世紀半ば頃からようやく統計資料が整い始めたことがわかった。また、本研究で扱ったような統計に関しては、これまで本格的に整理され、個別研究の基礎的データとして利用されたこともなく、近代法史研究における、とくに比較法史的な研究におけるデータ的な裏付けの必要性が改めて確認できた。 なお、本研究の成果は、これまで一部を除き個々の論文として発表されていないが、科研費の報告冊子として提出するとともに、今年6月の法社会学会で報告することがすでに決定しており、それを踏まえて著作として公刊することも計画しているところである。
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