研究課題/領域番号 |
11440114
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 正久 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90124362)
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研究分担者 |
伊藤 文武 群馬大学, 工学部, 教授 (60005907)
赤浜 裕一 姫路工業大学, 理学部, 助手 (90202522)
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キーワード | X線磁気回折 / X線磁気散乱 / 強磁性体 / フェリ磁性体 / 磁気形状因子 |
研究概要 |
SPring-8における核燃料物質取り扱いの認可が遅れており、平成12年度内のSPring-8でのウラン試料実験は不可能となった。そこで、本年度は主に次の2つの実験を行なった。一つは、ウラン5f系強磁性体にかわるものとして4f系フェリ磁性体であるホルミウム鉄ガーネットの低温におけるX線磁気回折実験を行なった。二つ目は、X線磁気回折実験の精度の向上を図るため、新しいX線検出・計測系の開発・構築を行なった。それぞれの実験について結果を報告する。 1.フェリ磁性体であるホルミウム鉄ガーネットの、880逆格子点におけるスピン磁気形状因子および軌道磁気形状因子を分離測定し、60Kから300Kの範囲でそれぞれの温度変化を測定することに成功した。この実験より次の2点が示された。(1)補償温度(131K)においては、スピンおよび軌道磁気形状因子の符号が反転し、これより、ホルミウム原子と鉄原子の磁気モーメントの向きが補償温度で反転する現象の直接観測に成功した。(2)スピンおよび軌道磁気形状因子の絶対値は、補償温度前後で連続的に変化し、温度上昇とともに単調に減少していることがわかった。 2.X線磁気回折実験で従来用いられてきた半導体検出器(上限計数率は10^4cps程度)に替わり、高計数率APD検出器と高速多重波高分析器FADCを用いた測定系(上限計数率は10^6cps以上)を新たに開発・構築した。APD検出器を用いた高速波高分析の試みはこの実験が初めてである。SmFe_2を試料とする予備実験では4×10^5cpsの回折X線強度での測定が実際に可能であることがわかり、半導体検出器を用いた場合に比べ同一の測定時間では測定統計誤差を1/5程度に縮小できることが示されX線磁気回折実験の高精度化が達成された。 また、高圧下磁気回折の予備実験として、鉄化合物の高圧下の磁気吸収実験を行なっている。
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