研究概要 |
昨年度合成法を開発した光学活性ジシロキサン、(S,S)-1,3-ジメチル-1,3-ジフェニル-ジシロキサン-1,3-ジオールを用いて、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルアミンとの重縮合を行い、光学活性ポリシロキサンをはじめて合成することに成功した(Macromolecules,33,1960(2000))。また、この光学活性ジシロキサンジオールを、同様にして合成した光学活性ジヒドロジシロキサンと、遷移金属触媒による脱水素重縮合反応を行うことによって、シンジオタクチックポリ(メチルフェニルシロキサン)を合成することにも成功した(Polym.Int.,50,135(2001))。 さらに、重合時の環化反応による重合度の伸び悩みを解消する目的で、分子量の大きな光学活性モノマー(1S),(7S)-1,7-ジ(1-ナフチル)-1,7-ジフェニル-4,4-ジメチル-1,4,7-トリシラヘプタン-1,7-ジオールの合成にも成功し、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルアミンとの重縮合の結果、数平均分子量1万程度の光学活性ポリカルボシロキサンの合成に成功した(Macromolecules,33,3940(2000))。 光学活性シリルリチウムの合成にも成功し、この立体配置がTHF溶液中、-78℃で1時間以上安定であることも明らかにした(J.Organomet.Chem.,611,20(2000))。
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