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1999 年度 実績報告書

昆虫の細胞内凍結の防止機構と氷核蛋白質の合成遺伝子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11460022
研究種目

基盤研究(B)

研究機関岡山大学

研究代表者

積木 久明  岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (60033255)

研究分担者 今野 晴義  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (10108178)
前田 孚憲  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (10038309)
キーワード耐凍性 / 氷核 / 細胞内凍結 / ニカメイガ / ヨトウガ培養細胞 / 氷核糸状菌 / 凍結傷害 / 休眠
研究概要

(1)ニカメイガ幼虫の氷核の生成に及ぼす日長、温度、氷核糸状菌の影響。
25℃短日と長日で飼育したニカメイガ終齢幼虫を4℃の低温で順化すると、短日飼育した幼虫のみに氷核の生成がみられた。この結果、ニカメイガ幼虫の氷核の生成には、休眠と低温が関与していることが明らかとなった。無菌の人工飼料で飼育したニカメイガ幼虫でも氷核の生成がみられたことから、氷核糸状菌はニカメイガ幼虫の氷核の生成に関与していないように思われる。しかし、幼虫の凍結温度が-20℃以下になる無菌イネ芽だしを用いてさらにこの点を明らかにする。
(2)ニカメイガ幼虫の凍結温度、凍結開始部位、凍結状態の観察。
本補助金で購入した生体冷却観察システムを用いて、ニカメイガ幼虫から採血した体液に筋肉と表皮を含む組織片を入れ、約1℃/分で低下させたところ、-14℃付近で凍結が開始した。その際、筋肉よりも表皮からの凍結の誘導が多かった。この結果、ニカメイガ幼虫の氷核は筋肉よりも表皮により多く生成されると考えられた。
(3)オオタバコガの蛹の凍結による細胞膜への影響を電子顕微鏡で観察。生体染色による細胞の凍結死と生存を観察。
本年度はいずれも観察できなかったので、次年度以降に行う。
(4)ヨトウガ培養細胞の凍結耐性。
羊胎児の血清を添加した培地で培養したヨトウガ培養細胞は-80℃の凍結にも耐えることができた。しかし、無血清培地で培養したヨトウガ培養細胞は-10℃の低温処理でもその後の増殖が低下した。低温処理後のこの細胞はトリパンブルーで染色されたことから、細胞膜が低温あるいは凍結により傷害を受けていることが明らかとなった。細胞膜の詳しい凍結傷害については今後電子顕微鏡で観察し、明らかにする。
(5)氷核糸状菌Fusarium moniliforme var. subglutinansが生成する氷核蛋白質の精製。
ニカメイガ幼虫の消化管から分離した上記氷核糸状菌由来の菌体外氷核を限外濾過により濃縮し、硫安沈殿、イオン交換、ゲル濾過、密度勾配遠心法で精製した。その結果、蛋白質当たり100万倍以上比活性を上昇させることができた。今後さらに精製を続ける。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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