研究分担者 |
横地 秀行 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60124723)
棚橋 光彦 岐阜大学, 農学部, 教授 (80093269)
平嶋 義彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30208821)
土川 覚 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30227417)
佐々木 康壽 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (90154004)
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研究概要 |
木造建築の強度、耐震性、耐久性などに関わる木構造における接合部の強度強化を具現するしまりばめ仕口を考案した。金属金具や接着剤を使うことなく、弾性体である木材の性質を生かす。ほぞ穴よりサイズの大きいほぞをほぞ穴より小さいサイズに圧縮セットする。組立て(ほぞをほぞ穴に挿入)後に、ほぞの圧縮セットを元のサイズに回復させ、引抜き抵抗が高く、剛節度の高い仕口接合の開発を目指す。本年度は、しまりばめ仕口の基礎資料を得ることを目的に、圧縮セット条件としまりばめ仕口の引抜き強度の関係を調べた。 100×100×600mmのベイマツ角材に、短辺(繊維垂直方向)30mm一定、長辺(繊維方向)95,90,85,80,75mmの長方形ほぞ穴を設定した。ほぞには、断面100×30mm、長さ100mmのヒノキ、ホワイトウッドの柾目板を用いた。ほぞは、100℃の高圧水蒸気雰囲気下で10分間かけ軟化させ、油圧プレスにより、前述のほぞ穴に対応させ、各々半径方向(繊維垂直方向)を93,88,83,78,73mmに圧縮し、10分間脱気し圧縮セットさせた。ほぞ板の接線方向は30mmを維持するように拘束したが、レーザ変位計およびXYアクチュエータによる形状測定により、圧縮率が高くなると30mmを1,2mm超えてしまい、正確に設定した断面に圧縮セットができなった。次年度は、圧縮セットのための軟化、圧縮セットの最適条件を追求する。 圧縮セットしたほぞをほぞ穴に挿入し、サーモトレーサにより温度をモニタリングしながら、熱湯に約2時間浸漬あるいはマイクロ波加熱により、圧縮セットを回復させた。 引抜き強度の測定には、材料試験機を用い、変位・荷重を測定した。圧縮率の増大に従い、引抜き荷重は200kgfから350kgfまで増大し、圧縮率が30%以上になると飽和した。熟練者による加工、プレカット加工による仕口より引抜き強度はかなり高められた。
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