研究課題/領域番号 |
11460087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
若林 久嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011932)
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研究分担者 |
横山 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70261956)
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キーワード | マイクロインジェリー / スレ / 微胞子虫 / in situハイブリダイゼーション / ニジマス / グルゲア症 |
研究概要 |
1.魚体表面の「マイクロインジェリー」の組織学的観察:生きたニジマスの体表面においてトリパンブルー液に染色されるマイクロインジェリーに着目し、組織切片を光顕および電顕により観察した。表皮の最外層にはトルイジンブルーで淡く染色される膨化した上皮細胞が多くみられ、水中微粒子の付着が観察された。電顕観察により膨化した上皮細胞はデスモゾームで下層の上皮細胞と付着していたが、トノフィラメント以外の細胞小器官は観察されず、クチクラ分泌が欠損していた。その後、創傷部は遊走性の上皮細胞により修復され、水中微粒子は遊走性上皮細胞やマクロファージに貪食されたり、または細胞間隙に閉じ込められた。以上より、水中微粒子が魚体表面のマイクロインジェリーから取り込まれること、およびマイクロインジェリーの組織学的特徴が明らかとなった。 2.魚類病原体の魚体表面への付着とその後の動態:アユのグルゲア症原因微胞子虫Glugea plecoglossiの胞子を、微胞子虫胞子壁のキチン質と特異的に結合する蛍光色素Uvitex2Bにより標識してから魚に投与することで、魚体表面における付着部位を調べた結果、胞子は体表のマイクロインジェリー部に付着していることが観察された。皮膚の組織学的観察により、創傷部から偶発的に取り込まれた胞子が上皮細胞と接触して極管を弾出していた。G.plecoglossiのSSUrRNA塩基配列を元に設計したオリゴヌクレオチドプローブにより特異的に検出するin situ hybridization法を確立し、胞子原形質が上皮組織内に侵入していることを確認した。以上より、G.plecoglossiが魚体表面のマイクロインジェリー部を足場として侵入し感染する過程が明らかとなった。
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