研究課題/領域番号 |
11460101
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
小野 征一郎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40017075)
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研究分担者 |
片岡 千賀之 長崎大学, 水産学部, 教授 (00112433)
中居 裕 東京水産大学, 水産学部, 教授 (70164118)
多屋 勝雄 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60293099)
島 秀典 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (00253914)
服部 昭 八戸大学, 商学部, 教授 (20180896)
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キーワード | TAC制度 / 漁獲可能量 / 漁業管理 / 資源管理 / 漁業管理制度 / 資源管理制度 |
研究概要 |
94年の国連海洋法条約の発効を受けて、97年1月1日に日本にもTAC(漁獲可能量)制度が導入された。欧米諸国のTAC制度には、その紹介・整理が行政サイドを中心にこれまでにある程度行われてきた。しかし、日本のTAC制度に対しては、おもに制度的・理念的検討を試みた以外、実態分析は皆無に等しい。それゆえ、本研究では日本の漁業管理において3年目を迎えるTAC制度の実態を総点検し、その課題と機能条件を抽出することによって、漁業管理に有効に機能するための日本型TAC制度の姿を究明しようとしている。TAC対象魚種となっているのはマアジ・マイワシ・サバ類・サンマ・スケトウダラ・ズワイガニ・スルメイカの7種である。これまでに本研究ではこのうち、マアジ・マイワシ・サバ類・サンマ・スルメイカ・ズワイガニを対象に調査を実施してきた。サンマは単一漁業種類=サンマ棒受網に、マアジ・マイワシ・サバ類はおもにまき網に、スルメイカは多様な漁業種類によってそれぞれ漁獲されており、漁業管理においてそれらは業種内調整が必要なだけでなく、業種間においても調整と合意形成が求められている。しかも、サンマを除く魚種については、中国や韓国の漁船との漁場競合が起きており、日本のTAC制度が有効に機能するためには、国際的な漁業管理体制の構築が必要となり、国際的な視点に立脚する比較研究が必要となる。3年計画の初年では、大規模なフィールド調査を実施するとともに、諸外国の漁業事情を収集し、漁業管理体制の比較評価を行うための理論的枠組みを構築した。2年目に該当する12年度においては、マアジ・マイワシ・サバ類をおもな漁獲対象魚種としている大中型まき網・中小型まき網漁業、イカ釣り漁業、ズワイガニ底びき網漁業、サンマ棒受網漁業などについてフィールド調査し、既存漁業秩序とTAC制度との整合性、実施に際しての合意形成、管理組織形成、漁業協定締結といった制度執行と組織形成の実態と課題について分析を試みてきた。
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