研究課題/領域番号 |
11470132
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 紀夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00144478)
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研究分担者 |
望月 圭 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
平松 直樹 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
佐々木 裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70235282)
大川 和良 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 樹状細胞 / IL-12 / 抗アポト-シス |
研究概要 |
(樹状細胞機能についての検討)我々は、まずC型慢性肝炎患者の末梢血から分離した樹状細胞を用いて、RT-PCR法によりC型肝炎ウイルスが樹状細胞に感染していることを確認した。また、健常者由来の樹状細胞に比べて、IL-12p40産生能は変わらないもののIL-12p70産生能は低下していることを確認した。更に、HCVコアペプチドを添加したところC型慢性肝炎患者由来樹状細胞ではサイトカイン産生能が低下していたことから、C型肝炎ウイルス患者の樹状細胞ではウイルス感染よりIL-12をはじめとした各種サイトカイン産生能が低下していることが示唆された。 (抗アポトーシス作用についての検討)抗アポトーシス作用をもたらす機構には、様々な細胞内情報伝達経路が関与している。我々は、C型肝炎ウイルス感染肝細胞癌症例において、生存シグナルの抗アポトーシス作用に及ぼす影響について検討した。生存シグナルと呼ばれるPKB/Akt,PKA活性は、いずれも亢進しており、さらにこれらキナーゼによりBcl-2ファミリーの一員で、本来アポトーシス促進作用を持つBAD蛋白が燐酸化されて不活性化されていること、また、BAD蛋白の燐酸化と、細胞死シグナルの主たる実行機構であるcaspaseカスケードの下流に位置するcaspase3との関係をみると、BAD蛋白が燐酸化されているほどcaspase3活性が抑制されていることから、ミトコンドリアを接点にした生存シグナル活性亢進による細胞死シグナル抑制によって、抗アポトーシス作用が発揮されていることが示唆された。
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