大学の教育学研究者と中学・高校の教育実践者をコンピュータネットワークを利用して結び両者が協同して研究と教育双方に成果を生み出す機構を教育工学の立場から調べることを目的とした。 高校生に現在の科学研究の成果と方法の事例として物理に関する映像を提供し、高校における学習に意味づけする機会を提供するための開発研究を行った。物理内容の面では、平成7年より楢原良正筑波大学名誉教授他の低温物理学ビデオ制作に視聴覚メディア制作の立場で参加し、2巻のビデオ作品「低温てなんだ」(63分)および「低温てなんだ〜超流動〜」(43分)を完成させた。 インターネットによる本ビデオ作品の配信実験のため、映像配信用にRealVideoサーバおよびWebサーバーを筑波大学内に設置した。更に、研究協力者により「インターネットを用いたビデオ評価システム」開発が行われ、システム開発面でもユニークな成果が得られた。 上記映像配信用サーバーおよびWebサーバーに低温物理学ビデオを載せた。これとビデオテープにより、小学校、中学校、高等学校の教員および児童・生徒約90名に本作品の視聴を依頼して質問紙調査を実施し、幅広い学年段階にわたり教師・児童・生徒の回答が得られ、教育上の有効性と適用範囲が検討できた。 本研究でもう1つの目標とした、外国人留学生による教育工学研究の支援では「遠隔教育環境における相互作用と心理的距離の実験「インターネットを用いたオーセンティックな学習活動」「Web-Based自主性学習環境の研究」等の研究、更に現職研究生による「体育・スポーツにおけるマルチメディア技術の利用」に関する研究として、成果を上げた。
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