| 研究概要 |
今年度は,昨年度に引き続き,顧客の選好を推定するモデルを精緻化するとともに,入手したスキャンパネルデータに基づいて分析を引き続き行った.その他に,オンラインショッピングサイトにおける消費者の購買行動のモデルを開発した.
1)消費者は対象カテゴリーの商品を繰り返し購入することで、商品の価格に対する情報を蓄積させ,結果として価格に対する反応を変化させるものと考えられる.消費者は価格そのものに反応するというよりも,前回購入したときの価格との差に強く反応することがわかった.その反応に対する時間変化を考慮した市場構造の分析も行い,情報を蓄積している顧客と蓄積していない顧客に対して異なる価格プロモーションを行うことが望ましいことがわかった.
2)インターネット上のサイトでオンラインショッピングを行う消費者の購買行動の分析を行った。特に、購入に至るまでのサイト内での行動(ページ閲覧履歴)と購買意思決定との関係のモデル化を行った.オンラインショップサイトには購買目的の顧客と情報収集目的の顧客また、その両方を目的とする顧客が訪れている。顧客によってサイト上のマーケティング活動の効果が異なることを定量的に把握することが可能になり、また、各種マーケティング活動の購買意思決定に与える影響の違いも定量的に把握することが可能となった.
今年度は、上記の研究を遂行するために、新たなデータを入手し,また,計算を円滑・高速に行うためのハードウェアおよぴソフトウェアを整備した。また,新たな種類のデータ(アクセスログデータ)の整理のためのソフトウェアを追加購入したため、消耗品等が予定より上回ってしまっている。
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