研究課題/領域番号 |
11490019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片山 一道 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70097921)
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研究分担者 |
松木 武彦 岡山大学, 文学部, 助教授 (50238995)
鈴木 廣一 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60171211)
中橋 孝博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (20108723)
國松 豊 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80243111)
毛利 俊雄 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (30115951)
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キーワード | 弥生時代 / 古代の争乱 / 古人骨 / 骨損傷 / 武具類の変化 / 骨考古学 / 原因武具 / タフォノミー |
研究概要 |
本研究に関係する研究者間の個別的な交流、電子メイル等の方法による周到な研究連絡を重ねたのち、9月の下旬に霊長類研究所で班会議をかねて研究集会を開いた。この集会には関係研究者の全員が出席し、それまでに進めてきた各自の分担課題について進渉状況を報告するとともに、今後、どんな研究課題を重点的に進めていくべきか、どのように進めていくか、いかなる成果が期待できるか、などについて詳細に協議した。現時点で達成された主な研究成果としては、奈良県四分遺跡で出土した弥生時代中期の埋葬人骨の傷痕が鉄製利器によるものと推定できると判明したこと(片山、深澤)、新方遺跡など北部九州の弥生時代の遺跡で出土した人骨のなかには未記載の骨損傷が極めて多いことがわかり、致命傷となったとおぼしき例が少なくないことが判明したこと(中橋、橋口)、弥生時代の武具の編年に関するモデルの試論を作り、その時代にすでに、中世以降の武士(戦士)像の原型ができていたのではないかという仮説を提示したこと(松木)などが挙げられる。その他、鎌倉時代の戦死者たちの遺骨について、骨損傷に関する記載が順調に進みつつあり(平田)、司法解剖例での刀剣創の写真ファイルを集成する作業が途上にあり(鈴木)、ニホンザル遺骨の骨損傷に関する検索作業と形態学的な分析が鋭意進行中(毛利、本郷、國松)である。これらの研究成果の一部については、片山と松木が代表して、3月26-27日に大阪大学で開催されたシンポジウム「池上曽根遺跡からの新視点:弥生時代の人・社会・風土」で中間報告の形で研究発表した。
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