1.家族経営協定に対する農業経営近代化のための攻策的対応の系譜および現段階の農業者年金制度との関係が、女性の年金資格取得条件の確保として、あらたに女性の経営への貢献を評価する制度化を実現させてきたが、これは高齢化と後継者不在にともなう女性の役割の拡大と構造的に関連していることが、農家統計データの整埋と農業会議・農村生活総合研究センタ・農業総合研究所および日本農業法学会会長官崎教授などの聞き取り調査から浮き彫りとなった。 2.北海道内の市町村農業委員会および府県の農業会議の協力により、家族経営協定に関する郵送調査(1000サンプル)を実施。および家族経営の展開における農業法人についての郵送調査(1000サンプル)を実施でき、データ入力をおこなった。 3.アメリカ農村社会学会での学会報告でアメリカにおける家族経営の課題について、小農経営の数の多さと農業システム全体における位置づけが国のプロジェクトになっていることを紹介され、日本と同様の問題であるというコメントがあり、その後、韓国の農村生活研究所との協議で調査研究の情報交換をおこない、さらにドイツの農家に関する聞き取り調査を開始した。 4.次年度は、データ分析とケーススタディをふまえて、家族モデルの理論的考察を行い、新農業基本法と家族経営の関わりから、社会学的研究の成果を農業政策に反映させることの必要性について、展開する予定である。
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