研究課題
基盤研究(B)
本年度は機構がシンプルであらゆるタイプの曳航体に簡単に取り付けられて、信頼性が高い縦傾斜、横傾斜の制御装置を開発するために、まず翼制御形式のハードウエアーを製作した。この方式の利点は縦傾斜・横傾斜を左右の翼を操作することで同時に制御できることであるが、短所は機構的に多少複雑になることである。制御装置は従来の曳航体の傾斜制御装置と異なり、それぞれの曳航体の設計時に最初から組み込まれている必要がなく、必要に応じて、外部から装着が可能なものであり、工学的に極めて汎用性が高いことを特色とする。またこのような機器は世界でも類似の物がなく、また社会的ニーズも高いので、開発による利益が大きいと判断した。以下に製作した装置の概要を示す。本製品は水中曳航体の横揺れを自動制御する装置である。制御のためのフィンは反対称に動作するように、1つのモータと歯車で駆動される。モータ・傾斜計・管制装置の電力は本装置の先端に設置されたプロペラによって駆動される発電機によって供給される。以上のように本製品は曳航体とは全く独立に動作するので、簡単に制御対象に必要に応じて外から付加できる。〔仕 様〕使用深度 0〜200m曳航速度 4〜20ノット最大横揺れ制御モーメント 1.8U^2kg-m(ただしUは曳航速度でm/sec)重量 40kg材質 ステンレス製、フィンはFRP製平成12年度はソフトウエアーの開発と実験を行う予定である。