研究概要 |
蛍光灯連続照明の光強度150〜250μ molm・2s・1,気温27℃,CO2濃度800ppmでピーマン'京みどり'の果実生産は良好となることをすでに明らかにした. 大塚A処方1/2濃度の培養液(EC1.4dS/m)を用いたロックウール栽培において,減水量を当初の培養液で補給すると,栽培45日後にはすでに残存培養液中に硝酸態窒素,アンモニア態窒素およびリンはほとんど存在しなかった. 当初の培養液pHを5.6に調整し,光合成促進のためCO2を施与したところ対照340ppm区ではEC値が徐々に上昇したのに対して800ppm区ではEC値が徐々に低下した.CO2濃度800ppm下で湿度の影響を調べたとこころ,湿度50%区ではEC値はほとんど変化しなかったが,80%区では徐々に低下する傾向にあった.両区間の収量に差はなかった.培養液のpHは急速に上昇して1か月後に比較的安定し50%区ではpH7付近,80%区では7.5付近で推移した.栽培1か月頃から硝酸態窒素は50ppm〜0ppmで推移した.カリウムは窒素と類似のパターンで低下することが明らかとなった. また,24時間を単位として4時間暗期挿入の収量効果を10か月にわたって比較検討したところ.暗期挿入は収量の増減に影響しないことが明らかとなった. 以上の結果から,閉鎖系ピーマン長期栽培においては,光強度-150〜250μmol m・2s・1として4時間暗期-20時間明期,CO2濃度-800ppm,湿度50%以上とする.大塚A処方1/2濃度培養液のpHをリン酸で5.6に調整し, 1か月を経過する頃から補給培養液のpHを5.6より更に下げ,予想される養分欠ストレスを回避するために硝酸カリウム濃度を数me高める補給法をとることが望ましいと推察された.
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