研究課題/領域番号 |
11557040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小俣 政男 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (90125914)
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研究分担者 |
吉田 晴彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60240305)
中尾 雅文 武田薬品工業株式会社, 首席研究員
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キーワード | Helicobacter pylori / 細胞内情報伝達 / cag PAI / 胃炎 / スナネズミモデル / リン酸化 |
研究概要 |
1)ヒト胃癌細胞をH.pyloriとともに培養することにより、細胞内情報伝達系NF-KB、MAPK、JNKの活性化を確認した。cagPAIを欠損した菌株を用いた実験によって、cagPAIを保存したH.pyloriのみが、ヒト細胞においてこれら情報伝達系を活性化することが判明した。さらに、情報伝達系の上流についてサイトカインなどによる既知の活性化と比較したところ、レセプタは異なるものの、それより下流の情報伝達経路はほぼ同様であることが確認された。 2)cagPAI関連蛋白の細胞内発現については、cagPAI産物のひとつであるCagAがヒト細胞内に入り込むことが報告されたため、CagAを中心に検討を進めた。CagAがヒト細胞内でリン酸化されることを確認し、リン酸化部位をほぼ同定するとともに、その機能の検討を開始した。 3)スナネズミを用いた短期および長期の感染実験では、cagPAI陽性H.pylori菌株の感染により、慢性活動性胃炎、潰瘍、胃癌が生じること、およびcagPAI欠損菌株では感染が成立しても胃上皮における病理学的変化が乏しいことを確認した。とくに胃癌発生に関しては現在、周囲非癌部を含めた病理学的検討を行っている。
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