研究概要 |
平成12年度の研究成果は,以下の通りである。 1.文献・資料のデータベース化 科学教育における情報通信ネットワークの利用・運営に関する先行研究を収集し,これらをデータベース化した。 2.初めて情報通信ネットワークが整備された学校の2年目の支援と現状調査 神戸大学発達科学部附属住吉小学校をフィールドにして,初年度に続き,ネットワークの維持管理,授業利用などの支援を行なった。現状調査では,主に授業における利用の状況を調べた。授業においては,コンピュータの一斉使用による回線の混雑などの問題が頻発していることが明らかとなった。分散した利用環境をデザインすべきことが示唆された。 3.情報通信ネットワークを利用した実験授業 初年度に試作した「再構成型コンセプトマップ作成ソフトウエア」の最終版を完成させ,このソフトを利用した実験授業を小学校の理科の授業(5年生,2クラス,単元・ものの溶け方,全10時間)を対象にして実施した。本ソフトの授業における有効性が検証された。とくに,学習者のリフレクションを強力に支援することが示された。また同時に,本ソフトウエアの再生機能に関する実験も行なった。被験者に再生機能のあるソフトウエアと再生機能のないソフトウエアでコンセプトマップを作成させ,再生機能の有無によるリフレクションの違いを検討した。被験者は大学生40名であった。その結果,再生機能がリフレクションを促進させたことがわかった。
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