平成11年、12年の2年間に行った「国際経営と英語」の研究の主要な成果および得られた主な知見は以下のとおりである。 ひとつは、国際経営と英語のテーマでアンケート調査を実施した。つぎに、国際経営と英語のテーマで、インタビュー調査を行った。 以上の研究調査の成果としてすでに4本の論文を発表した。それらの論文をもとにして、成果を一冊の書物として公刊する予定である(平成13年夏に出版の予定)。 研究調査から得られた主要な知見はつぎのとおりである。 経営の国際化の進展とインターネットの普及のふたつを理由にして、経営における英語の必要性が強まっている。ふたつの理由のうちではインターネットの影響のほうが重要であるといえる。 日本企業の現状は、日本語を中心にして国際経営を行っている。ドイツ、フランス、オランダなど欧州企業、また台湾企業は、英語で国際経営を行っている。 日本語中心の国際経営は、さよざまな言語コストを発生させている。通訳・翻訳の費用、誤解、決定のおくれ、優秀な人材の活躍の場がかぎられていることなどである。 日本企業が日本人社員の英語力を高めるために英語研修や留学・海外トレーニーなど努力しているが、海外勤務と内なる国際化を英語力を高めるための言語投資としてとらえる必要がある。 日本企業のうち国際経営を大々的に行っている多国籍企業では、国内の工場や営業所など現場では日本語を使い、海外子会社などとの国際コミュニケーションでは英語を使うバイリンガル経営が必要である。国際経営にたずさわる日本人ビジネスマンは、日本語と英語ができるバイリンガルでなければならない。 バイリンガル経営を実現するためには、経営戦略論を応用して言語戦略を立案して実行することが必要である。
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