研究概要 |
今年度の研究計画では、reductionの概念を中心とした基礎的部分の整理とフィルトレーションがequimultipleな場合の理論の構成を目標としたが、下記に述べてある様な結果を得ることができ、これらの目的はほぼ達成できたのではないかと思われる。 1.局所環AのフィルトレーションA=F_0⊇F_1⊇F_2⊇…に対して、次の2条件: ・あるk_i>0に対してa_i∈F_<k_i>(i=1,2,…,r) ・n≫0に対してF_n=Σ^r_<i=1>a_iF_<n-k_i> をみたすAの要素のシステムa_1,a_3,…,a_rをそのreductionとして捉えると、従来イデアルに対して定義されていたreductionの概念と理論が自然に一般化されることが分かった。実はこの見方はある意味では既に存在していたのだが、analytic spreadという観点を通して考察したのはこの研究が最初のである。 2.上で述べたをa_1,a_3,…,a_rをrがF_1の高さに一致する様に取れるとき、フィルトレーションA=F_0⊇F_1⊇F_2⊇…はequimultipleであると言うことにする。このとき、附随する次数付き環【symmetry】_<i【greater than or equal】0>F_i/F_<i+1>のCohen-Macaulay性を特徴付けることができた。
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