研究概要 |
本研究は,少子・高齢社会を迎えるにあたって,千里ニュータウンをはじめとする住宅地におけるセンター内施設の推移や住宅地内部の自然発生施設の実態を捉え,今後の高齢社会にとってあるべき住宅地の空間構成や望ましい地域施設の整備水準を明らかにすることを目的としている。平成12年度における研究成果の概要は以下の通りである。 1.泉北ニュータウンにおける地域施設の実態 昨年度の千里ニュータウンでの調査に引き続き,泉北ニュータウンにおいて自然発生施設の実態を調査した。その結果,業種により千里NTと泉北NTでの発生量に違いが見られること,住区の構成が異なることから発生位置にも違いがみられることがわかった。 2.自然発生施設の外部空間の構成 地域施設の外観は,住宅地の景観にとって重要なポイントとなるし,街並みとしての統一性も求められる。そこで,実際の自然発生施設の外部空間を調査し,その構成を探った。その結果,業種により業務部分と住宅部分の構成に特徴がみられること,前面道路など敷地外部の要因も空間構成に影響を与えることなどがわかった。 3.若年単身居住者へのヒアリング調査 従来の住宅地は,いわゆる核家族を想定した計画がなされてきたと思われる。しかし,今後はさまざまな家族形態が併存することが予想される。そこで,まず若年単身者を対象として,施設の利用実態や周辺との関わりをヒアリング調査した。その結果,単身者の生活時間帯が深夜にずれていることからの施設利用を望む時間帯が遅いこと,住宅機能の外部化が見られたこと,日常の交通手段が施設選択に強い影響があること等がわかった。 4.地域施設の全国的な実態分析 昨年に引き続き,DEAを用いて都道府県レベルの地域施設の量的な整備実態を分析した。
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