ポリマー溶液の物性推算に利用できる3定数3次型状態式であるSako-Wu-Prausnitz式中の一つのパラメータをセグメント数で置き換えることにより、溶媒についてはSRK式の一般化式が直接使用できる修正SRK式を提案した。ポリマー物性への適用として、先ず、文献検索で求めた10種のポリマーのPVTデータを相関し、比容が0.1%の精度で相関できることを確かめた。次に過剰自由エネルギー型混合則とASOGを状態式に組み込ませたグループ寄与法によりポリマーと溶剤からなる2成分系気液平衡を推算したところ、溶媒活量の実測値と推算値は平均5%で一致した。(栃木ら:化学工学会第32回秋季大会(平成11年9月)、栃木ら:第5回日韓合同分離技術シンポ(平成11年8月)で発表) 更に、ZollerとWalshのデータ集に収録されている4種のPVTデータを相関し、比容が0.2%の精度で表現できること、また分子量の記載がないポリマーへの適用を考察し、14種のポリマーの3定数を新たに決定した。また、ポリマーの比容をグループ加算法で推算するモデルを開発するための基礎となる特性パラメータT^*、P^*、V^*を決定した。(栃木ら:化学工学会第65年会(平成12年3月)で発表)
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