研究概要 |
本研究の目的は、化学プロセス計算に広く用いられている3次型状態方程式とグループ寄与法を組み合わせたポリマー溶液物性推算法の開発であり、状態式としてはSRK式に自由容積項を組み入れたSako-Wu-Prausnitz式を修正し、グループ寄与法としてはASOG-FVを採用している。この修正SRK式の特徴は溶媒に関するパラメータをSRK式のパラメータから直接求めることができる点である。 本年度はポリマーのPVT及び相平衡データのデータベース化を図るとともに、62種のポリマーのPVTを相関し、修正SRK式中のパラメータa^*、b^*、c^*を用いて、特性パラメータT^*,P^*,V^*を求めた。次に特性パラメータT^*,P^*,V^*をグループ加算で求める推算法を検討したところ、PVTの推算精度は約5%以上であり、推算精度を向上させるにはV^*の取り扱いを工夫する必要があろう。また、過剰自由エネルギー型混合則とグループ寄与法ASOG-FVを組み合わした修正SRKグループ寄与法を用いると、気液平衡を約7%の精度で推算できることを確かめた。更に、液液平衡の推算プログラムを作成し、現在、相平衡の計算を行っている。
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