研究課題/領域番号 |
11670682
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大江 透 岡山大学, 医学部, 教授 (70263556)
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研究分担者 |
森田 宏 岡山大学, 医学部, 助手
草野 研吾 岡山大学, 医学部, 助手 (60314689)
山成 洋 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (00240060)
中村 一文 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
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キーワード | QT延長症候群 / 特発性心室細動 / チャンネル |
研究概要 |
特発性心室細動(Brugada症候群)には、心電図上特徴的な所見(不完全右脚ブロック+ST上昇)を示し、電気生理学的な誘発試験で心室細動が誘発されるにもかかわらず、症状(syncope)のない症例が有ることを、無症候性Brugada症候群として報告した(Pacing Clin Electrophysiol 1999;22:1261-1263)。無症候性Brugada症候群の診断法の一つとして、遺伝子診断が出来ないか現在検討中である。 QT延長症候群(LQT)患者に於いてQT intervalのalternansが、Nicorandilによって減少する症例が有ることを報告した(HEART 1999;82:643)。この症例はLQT1,2,3遺伝子には変異は存在しなかった。Nicorandilが有効な症例の遺伝子異常について現在検討中である。 LQT患者については、心エコーとMIBG心筋シンチを用いても臨床データを検討した。LQT患者においては心エコー上の壁運動異常が大きい部位が、シンチ上交感神経活性が高いと考えられた(Heart 2000;83:295-300)。LQTの原因として、チャンネルの異常のみならず自律神経の異常も存在する可能性が示唆された。 LQT患者だけでなく、正常健康人のQT間隔についても検討した。呼吸の影響がないか検討し、QT間隔のvariabilityに対しては、呼吸の影響が少ないことを報告した(Pacing Clin Electrophysiol 1999;22:842-848)。 飲酒により不整脈が誘発されることが有る。アルコールが心臓のチャンネルに直接働かないか、培養心筋細胞に於いて、チャンネルブロッカーを使うことによって検討した。遅延整流性電流(Ik)が活性化されることがわかり報告した(Alcohol Clin Exp Res 1999;23(4 Suppl):81S-84S)。この電流の異常はLQT1,2の原因であり、二次性のQT間隔の異常の一つとして、飲酒が関与しているのではないかと考えて、現在検討中である。
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