研究課題/領域番号 |
11670860
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
齋藤 陽子 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (80225739)
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研究分担者 |
阿部 由直 弘前大学, 医学部, 教授 (10167950)
野田 浩 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (00292152)
淀野 啓 弘前大学, 医学部, 教授 (30113848)
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キーワード | 閉塞性動脈硬化症 / 下肢 / 最大流速 / 平均血流量 / 運動負荷 / MRI |
研究概要 |
今年度は、主に運動負荷前後の下肢の血流量や最大流速の変化を研究した。運動負荷前後でのMRIによるデータ収集が連続して行なえるのが望ましいので検査台上で仰臥位で施行可能な足関節の底屈および背屈運動とした。これを十分力を入れて行い下腿のこわばり感や痛みを感じた時点で負荷を終了とし直ちにデータ収集を行なった。下肢の疼痛や間歇性跛行や疼痛のない健常ボランティアと閉塞性動脈硬化症症例とで、運動負荷後の最大流速や平均血流量の増加の程度を検討し、健常者と症例群とで増加の程度に有意差があるかどうか検討した。この検討は1.5T MRI装置を使用し、シネMRIの手法を用いて行なった。健常ボランティア、症例群共に運動負荷によって最大流速や平均血流量の負荷前の値に比べ有意な増加を示したが、増加の程度は両者間で有意差が認められなかった。 また、造影剤投与による骨格筋の造影効果の検討では、連続的に撮像を行いROIを設定して時間信号強度曲線を算出して検討を行なった。骨格筋の造影効果はわずかであったが、脂肪織よりは明らかに高かった骨格筋は健常ボランティアでは動脈の造影に遅れて造影され、注入開始から40〜60秒後にプラトーとなったが、閉塞性動脈硬化症症例では暫増パターンを呈しプラトーに達しない場合が殆どであった。1例のみ早期に造影される筋肉が見られたが、特に同筋肉の痛みなどの症状がなく、閉塞性動脈硬化症の病態との関連は明らかにしえなかった。なお、健常ボランティアでも症例群でも筋肉の造影パターンにはいずれの筋肉をとっても特に左右差を認めなかった。
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