研究概要 |
目的:歯科衛生士専門学校に入学した生徒に対して、課程を終了し卒業するまでの期間、系統的かつ継続的にAIDS教育を行い、その効果を評価してAIDS教育に対する具体的指針を得る。 方法:歯科衛生士学校入学時点(1回目)と臨床実習前-AIDS教育後-(2回目)、臨床実習終了後(3回目)のAIDSに関する質問票調査に参加したAIDS教育実施専門学校2校(A校45名,B校42名)と対照校1校(C校45名)の生徒について、AIDSに関する知識および意識の変化を分析し、講義形式によるAIDS教育効果の持続性について検証した。A校およびB校についてはさらに、講義形式による教育(A校)とロールプレイング形式による教育(B校)を行い、3回目と4回目の調査結果を比較し、教育方法による効果の差異について検討した。 結果:講義形式によるAIDS教育の持続性については、C校で3回目に意識の低下が認められたのに対し、A校およびB校ではさらに上昇傾向が観察された。また、知識は3校すべてで1回目より有意に増加していた。よって、AIDS教育実施後1年を経過してもAIDSに対する意識は維持され、知識はさらに増加する傾向があった。講義とロールプレイングの教育効果の比較では、知識の増加は同程度であったが、意識の変化はロールプレイングを行ったB校で顕著に向上した。よって、AIDS教育を継続的に行っていく場合、知識については教育方法により差はないが、意識については講義のみでは限界があり、ロールプレイングを取り入れることで、より好ましい変化が得られる可能性が示唆された。
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