研究概要 |
目的:歯科衛生士専門学校に入学した生徒に対して、課程を修了し卒業するまでの期間、系統的かつ継続的なAIDS教育を行い、その効果を評価することでAIDS教育に対する具体的指針を得る。 方法:AIDS教育実施校2校(A校59名,B校53名)と対照校1校(C校49名)において、入学時に初期時点の知識および意識の調査を行った。その後講義形式のAIDS教育を実施し、臨床実習前と後にAIDSに関する調査を行い、その効果と持続性について評価した。また、教育方法の評価のため、臨床実習後に講義(A校)とロールプレイング(B校)によるAIDS教育を行い、その効果についても検討した。 結果:入学時点の調査結果は3校で差はなく、同様の傾向が認められた。各学校のAIDS教育の状況も際立った差は認められなかった。講義形式のAIDS教育により教育実施群で明らかに知識量は増加したが、意識の変化は一様でなく、一概に効果があるとは結論付けられなかった。また、A校とB校を比較した結果、知識および意識の変化に同様の傾向が認められ、講義形式によるAIDS教育を行うことで、一定の効果が得られることが確認された。講義形式によるAIDS教育の持続性については知識は3校すべてで増加したが、意識はAIDS教育実施校で上昇傾向が観察された。講義とロールプレイングの教育効果の比較では、知識の増加は同程度であったが、意識の変化はロールプレイングを行ったB校で顕著に向上した。AIDS教育を継続的に行っていく場合、知識については教育方法により差はないが、意識については講義のみでは限界があり、ロールプレイングを取り入れることで、より好ましい変化が得られる可能性が示唆された。
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