研究課題/領域番号 |
11672329
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
池田 敏子 岡山大学, 医学部, 助教授 (60202892)
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研究分担者 |
佐藤 美恵 岡山大学, 医学部, 助手 (40274021)
渡邉 久美 岡山大学, 医学部, 助手 (60284121)
金尾 直美 岡山大学, 医学部, 助手 (30274020)
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キーワード | 看護教育カリキュラム / カリキュラム開発 / 看護技術教育 / 患者による実習評価 / 患者の看護学生への期待 / 臨床実習 / ISM構造分析 / 学習態度 |
研究概要 |
1.基礎看護技術教育のカリキュラム開発を行うための基礎資料とするために、看護の受け手である患者を対象に看護学生に対する期待や学生が実施した技術に対する評価を調査した。調査概要は、診療援助技術15項目、基本技術17項目である。それぞれの技術項目について学生実施の許可、その技術に対する期待の度合い、学生が実施した技術の評価を質問した。 筋肉内注射を始めとする診療援助技術に関しては、学生が実施したものが少なかったが、実施した技術に対する評価は、概ね良好であった。患者が学生に実施していいとした技術は、氷枕や湯たんぽであり、実施してほしくない技術は、採血、筋肉内注射などであり、身体に侵襲がおよぶ技術は拒否していた。次いで、学生が実施していいとした技術に対する期待は高く、上手にできることを期待していた。一方、学生にしてほしくない技術については、期待が高いもの、低いものに二分された。 コミュニケーション技術を主とする基本技術については、ほとんどの項目で普通以上の期待をしていた。しかし、学生の実施した技術に対する評価では、患者の期待以下の評価があり、複数の者が期待以下と答えた項目は、挨拶、ケアの説明を十分にする、患者の意見を尊重する、信頼できる等であった。観察技術に関しては、学生の実施に対する評価は、概ね良好であった。 2.基礎看護技術をISM構造分析により体系化したカリキュラムを適用して授業を行った結果以下のことが明らかになった。 構造化を実施して得られた構成を適用して授業を実施した学年、従来の構成で授業を実施した学年との教育成果を比較した。その結果は、構造化を適用したカリキュラムで学習した学生は、学習態度として、依存的な態度が弱くなり、主体的で積極的な学習態度となった。また自主性があり、積極的であり、自ら学習しようとする姿勢と行動がみられた。この結果は、基礎看護技術教育で目標とする学習態度の条件を満たしていた。
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