研究課題/領域番号 |
11672329
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
池田 敏子 岡山大学, 医学部, 助教授 (60202892)
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研究分担者 |
樅野 香苗 岡山大学, 医学部, 助手 (40335592)
佐藤 美恵 岡山大学, 医学部, 助手 (40274021)
渡邉 久美 岡山大学, 医学部, 助手 (60284121)
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キーワード | 看護教育カリキュラム / カリキュラム開発 / 看護技術教育 / 患者による実習評価 / 患者の看護学生への期待 / 看護専門職意識 / 看護教育に対する医師の期待 |
研究概要 |
基礎看護技術教育のカリキュラム開発を行うための基礎資料とするために、1.看護の受け手である患者の期待、2.医師の看護教育に対する期待、3.当短期大学部の卒業生全員を対象に看護専門職意識の調査を実施した。以下に結果を述べる。 1.患者による受け持ち学生の基本的態度の評価は、12項目すべてにおいて「ふつう」から「大変よくできた」であった。態度への期待は、2項目における各1名を除きすべて「ふつう」から「もっとも期待する」であった。評価と期待の比較では、期待するレベルより低いと評価したものは、多いものでは、「明るかった」、「自分でできないことは多くの人の助言を求めた」であった。 2.医師が看護者に期待する能力は、重要度の高い順に、一般教養、看護技術、対人関係、専門職としての態度、看護実践能力、医学知識であった。詳細の項目別では、高得点順では、人間性、基本的看護技術、患者との対応、専門職としての責務の自覚であり、最低得点は、研究の実施であった。医師は医学的知識や研究等の知識探求に関する分野に比べ、人間性や対人関係能力などの個人の資質に期待している者が多かった。 3.看護専門職として重要と考える「自律性」、「専門職意識・誇り」、「スタッフや患者との人間関係」、「看護管理」、「卒後教育への意識」の5概念25の質問項目を使用し卒業生の調査を実施した。全項目のCronbach, sαは、0.83であった。平均値が高い項目は、「よりよい看護を提供するためにスタッフと患者看護について十分に話し合う必要がある」、次に「患者自身の意見を取り入れて療養生活の計画をすべきであると思う」であった。低い項目は、「他の医療専門職に対して看護職の立場から意見を述べることができる」であった。この調査紙の信頼性分析および探索的因子分析をした。因子抽出法は、最尤法、バリマックス回転を用いた。固有値1以上の因子が6個抽出され、「看護専門職としての自律」「患者に対する看護の自律」「管理組織への満足」「同僚・報酬への満足」「他職種との連携」「自己研鑽・研究的態度」と命名した。各因子のCronbach, sαは、0.65〜0.74であり、一定の内的整合性があることが示された。
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