研究課題
基盤研究(A)
1.初年度である今年の第1回国内連絡研究会(1999年6月)で、学術調査プロジュエクト研究実施計画に基づいて調査方法と調査項目の細部についての検討・確認を行なった。その際、アジアで使用されている様々な文字を、その起源および構造上の特徴により3つ(インド系文字、アラビア系文字、漢字系文字)に分類し、担当する各班を結成し統括責任者を決めた。2.実施された調査では、この学術調査の主題であるデジタル化の基礎としての多言語処理基本方式の検討にあたって、近代活版印刷の多言語印刷の取り組みを近代活版の最初期の試みにさかのぼることに重点を置いた。具体的には、アジアにおける近代活版印刷の発祥の地であるインドのシュリーラームプル(Serampore)を訪問し、またフランスの国立印刷局(旧王立印刷局、現在民営化されている)で保管されているアジアの膨大な文字フォントを調査した。それらの地での関係者のインタビューとともに、消失の危機に瀕している組版作業所、字体見本帳など貴重な資料を映像化することができた。さらに、アジア各国(中国、ベトナム、ミャンマー、ラオス、タイ、インド、ネパール、イラン等)における現在の印刷出版状況の現地調査を、特に活版印刷からデジタル化への移行の実態に主眼をおいて調査した。この間、重要な初期刊行物のオリジナルを含む印刷出版関連の資料収集にも務めた。現在その整理と分析が進行中である。3.第2回国内連絡研究会(2000年1月)では、各班から、それまでの調査と研究成果の報告が行なわれた。なお、第1回と第2回の国内連絡研究会の間に数回の小規模な連絡研究会を数度実施した。4.今年度の研究成果の一部を、web上で公開した(http://www.aa.tufs.ac.jp/^〜kmach/kaken99/index.htm)。
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