研究課題
基盤研究(A)
アジアの多様な文字文化圏を、漢字系、インド系、アラビア系と大きく3つに分け、各研究班による現地調査・報告・研究会を通して以下のような成果をあげた。1.写本、木版、活版、ワードプロセッサ、電子出版への移行の歴史を地域・国別に追い、その移行過程の特徴を主に技術史の観点から明らかにするとともに、現在かかえている文字文化圏固有の問題を整理した。2.アジアの各文字と書字システムを用いた出版物に見える組み版規範活字字体、及び文字列照合(文字列を並び換える際のABC順などの大小関係)規則の実例を収集し、デジタル処理に実装するためのアルゴリズムを研究した。3.アジアの文字の多様性に起因するデジタルデバイド(情報格差)解消の前提となる文字処理の世界標準の可能性について、現地の研究者や現場の技術者と協議した。4.現地調査を通じて、歴史的に価値のある初期活版の出版物や活字見本、また現在流通しているソフトウエアを可能な限り収集した。さらに、調査の際訪問した印刷所などでの設備やインタビューなどを写真、ビデオなどに収めデジタル化し公開にそなえている。5.研究によって得られた知見に関して、論文や本の出版また講演活動などを通して研究成果の公開に努めた。6.研究の成果と収集した資料をweb上で公開するための準備をしている。
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