研究分担者 |
木村 和雄 鳴門教育大学, 教育学部, 助教授 (80314889)
酒井 治孝 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (90183045)
高木 秀雄 早稲田大学, 教育学部, 教授 (60154754)
渡辺 悌二 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (40240501)
酒井 哲哉 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90303809)
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研究概要 |
新第三紀-第四紀におけるヒマラヤの上昇テクトニクスと気候変動(モンスーン気候の変動史)との関係を解明する目的で以下の現地調査を中央ネパールで行なった. 1.カトマンドゥ北方の主中央衝上断層帯(MCT)について2ケ所で詳細なルートマップ作成と構造解析を実施した.その結果,高ヒマラヤ帯の上盤南の衝上断層運動とそれに続く右逆センスの塑性剪断運動とその後の脆性領域における上盤北の正断層運動が識別された.MCT における北落ちの正断層は初めての発見であり,テクトニクスにおける意義が注目される. 2.前年度に続いて,カトマンドゥ東方〜南方で構造地質学的,岩石学的視点から詳細なマッピングを行い,MCTがカトマンドゥナップをとりまいていることが確認された. 3.昨年度に続くカトマンドゥ盆地の湖成層の詳細な調査を行い,古カトマンドゥ湖の形成に関して,従来とは異なる成因論の可能性が出てきた. 4.他の研究計画と協力してカトマンドゥ盆地内でボーリングを行い,260rn1本,30rn2本の連続コアを得ることができた.カトマンドゥ盆地では学術ボーリングは初めてのことであり,今後の各種解析が注目される. 5.シワリク層の層位学,古生物学および堆積学的調査を東ネパールで行ない,中央ネパールとの比較検討データを得ることができた. 6.測地学的データなどと比較検討して地形プロセスとしての地殼変動様式を解明することを目的にカトマンドゥ盆地周辺地形調査を行ない,低ヒマラヤ・カトマンドゥ盆地の南北断面において最近数万年間の変位基準となる地形面・鍵層の高度分布や変形傾向の把握を試みた. 7.ヒマラヤ前縁における最終氷期以降のモンスーン変動に関して、基礎的なデータを収集することを目的に,カトマンドゥ南方のヘタウダ盆地において最近約3万年間に堆積した盆地埋積層約40層準より,花粉分析用試料を採取した.
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