研究分担者 |
大久保 賢治 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (50135612)
松本 淳 東京大学, 理学系研究科, 助教授 (80165894)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10111981)
吉田 勲 鳥取大学, 農学部, 教授 (40038237)
石井 将幸 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (50293965)
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研究概要 |
1.南アジアの気象特性の解明 インド・ネパール気象局よりインド・ネパール国内および南アジアの気象資料を収集し,南アジアの気象特性を吟味するとともに,バングラデシュに隣接するアッサム・トリプラ地域の豪雨発生機構を明らかにするための基礎資料を整備した. 2.メガラヤ山脈南斜面の豪雨発生気候の解明 降雨発生に密接に関連しているモンスーン気流・積雲対流活動の生成メカニズムを解明するために1日4回の高層気象観測を延べ20日間実施した.その結果,対流圏中層約700hPa付近の相当温位について、昼以降翌朝にかけて上昇するが、その後午前中に大きく減少する日変化があることが分かった。対流圏のほぼ全層にわたって、夕方に気温が高く、朝方に気温が低い日変化が特徴的である。 3.氾濫湖の消長に関する調査 バングラデシュ最大のハカルキハオール(氾濫湖)において,GPSとエコーサウンダを用いてその規模を測定した.2000年の氾濫は1999年とほぼ等しく平年規模であることが明らかになった.バングラデシュ北東部の降雨分布をGMS画像とニューラルネットワークを用いて推定した後,ハカルキハオールに流入するジュリ河等の洪水流出解析を行った.降雨データがほとんど得られない地域での流出解析には気象衛星データの活用が不可欠であるが,その先駆的役割を果たしたといえる. 4.氾濫湖の資源的役割に関する調査 バングラデシュでは,氾濫湖は資源供給・環境浄化等の面で,重要な役割を担っている.氾濫湖周辺地域の農業生産性を漁業およびその他産業との関係についてアンケート調査を行った.その結果,モンスーン期の最盛期には漁民一人の1日の漁獲料は300TK〜3000TK(1USドル=50TK)であり,貴重な収入源になっていることが判明した.(月収:1500-2000TK)
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