研究課題/領域番号 |
11691157
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
重枝 豊 日本大学, 理工学部, 講師 (30287586)
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研究分担者 |
内海 涼子 成安造形短期大学, 服飾文化学科, 助教授 (20280018)
坪井 善明 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (00163874)
上野 邦一 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (70000495)
片桐 正大 日本大学, 理工学部, 教授 (50059515)
宇於崎 勝也 日本大学, 理工学部, 講師 (40256805)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | ベトナム社会主義共和国 / 仏教寺院 / チュア / ディン / 村落構成 / 碑文 / 宗教儀礼 / 仏像 |
研究概要 |
本研究に関連するまとまった論考は少ないが、ベトナム考古学院院長ハ・ヴァン・タン編著の『Chua VIETNAM(ベトナム仏教寺院)』(1993年)で仏教史や各寺院および寺院での祭事などが整理されている。調査対象の選定にあたっては、ハ・ヴァン・タン教授とトン・チュン・ティン氏(ベトナム考古学院副院長)のアドバイスを随時受けた。最終的に、ベトナム北部の寺院28ケ所、ディン(村落守護神を祀る村の集会所)13ヶ所、その他宗教施設13ヶ所で実測調査を実施した。 宗教施設の中で寺院は、ベトナムの複雑な信仰形態の影響が最もよく示すと同時に、伝統的な建築技術や様式を保持していることが明らかとなった。この点に着目して、仏教寺院と村落の関係を軸にして調査・研究を進めた。 ベトナム北部の宗教施設の建築技術・意匠、技術者(大工)集団、村落の歴史、祭事、宗教施設に関わる大工などについて総合的に明らかにすることを調査・研究の目的とした。建築技術、意匠、技術者については多くの新成果をあげることができた。具体的には柱や梁などに残っている寄進銘から、各村落における寄進体系の一端が明らかとなった。また、平面構成、架構形式、母屋桁構成についてそれぞれの編年指標を策定し、伽藍構成の変遷過程を4期に区分することを提案した。 しかし、現地の政治・社会状況から、伝統的村落に残る宗教施設と土着技術の調査・研究を実施するのは極めて困難であった。祭事や村の歴史の詳細については、調査が制限されることが多く、今後もさらに調査・研究を続ける必要性がある。 本研究は、ベトナム建築史、仏教史、村落文化史の再構築を目指して開始された。この調査によって得られた成果はベトナム測によっても様々な分野において発表されるが、国内各分野の研究者の研究資料として活用されることを望むと同時に、今後もこの分野の研究を継続してゆきたいと考えている。
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