研究課題
基盤研究(A)
電子図書館、電子ジャーナルなどに象徴される、学術的情報活動のネットワーク化と学術コンテンツの電子化は、国際的に急速に進展し、これは、学術論文等の学術系コンテンツの形成・利用の方法に多大の変貌をもたらしている。本研究は、こうした状況における学術情報システムの国際的動向に着目し、各国の研究開発・標準化に関する動向調査、学術情報の利用形態、研究評価への応用、学術研究体制の変容等に関する比較調査を行い、わが国の学術情報システムの将来的な方向性を見定め、政策的提言も含めて、その高度化・国際化に資することを目的とするものである。研究は、(1)電子図書館・電子ジャーナルの動向、(2)情報通信技術の動向と学術情報への適用、(3)研究評価情報と学術情報政策の3方向に大別される。(1)では、ITの進展・普及による学術情報環境の変容を分析し、電子図書館システム、電子ジャーナル、書誌ユーティリティの国際的動向を、海外機関への実地訪問調査の結果を踏まえて検討した。(2)では、主として関連国際会議での発表・討論を整理・分類するという方法で動向の分析を行った。すなわち、ゲートウェイ、情報検索システム、人間・計算機インターフェース、XMLによる文書処理・通信技術、モバイル/ユビキタス・ネットワーク技術等の動向分析である。(3)では、学術研究のあり方に関する昨今の社会的要請を念頭に、学術雑誌の発行状況や国際共著論文の動向に基づく、国際的な情報発信の状況分析、1情報学研究の日米比較分析、中国での研究評価体制、研究評価情報と独創性の関連、大学所在の学術情報を事業創出に結実する方策等を論じた。なお、本研究の成果の一部は、国立情報学研究所における各種情報システムの研究開発に適用され、また、科学技術・学術審議会情報科学技術委員会デジタル研究情報基盤WGの議論に反映され、すでに政策的展開が図られつつある。
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