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1999 年度 実績報告書

スリランカにおけるフィラリア症撲滅に向けた新しいアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 11691224
研究種目

基盤研究(B)

応募区分一般
研究機関愛知医科大学

研究代表者

木村 英作  愛知医科大学, 医学部, 教授 (70153187)

研究分担者 藤巻 康教  長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (10209083)
磯貝 芳徳  日本福祉大学, 情報社会科学部, 教授 (60079697)
伊藤 誠  愛知医科大学, 医学部, 助教授 (90137117)
キーワードバンクロフト糸状虫 / 地理情報システム / ELISA / 循環抗原 / スリランカ
研究概要

【目的・意義】
WHOは、2020年までに世界からリンパ系フィラリア症を撲滅することを決議した(1997年)。その基本戦略は、流行地住民の集団治療である。これには流行地の発見と、治療すべき地域の線引きが必須の要件となる。世界中に散在する流行地を、経済的かつ迅速に発見し、流行の程度を把握する方法はRAPs(Rapid Assessment Procedures)と呼ばれ、世界各地で研究が進められている。我々は、スリランカにおいて、(1)フィラリア症に特有な症状を持つ患者の有無を、地域ごとに質問表によって聞き出す方法と、(2)免疫診断法の組み合わせによるRAPsを検討している。
【成果】
(1)質問表による調査: 地理情報システム(GIS)を利用してフィラリア症の分布図を作製することを目的に、村のリーダー2105人に、象皮病、陰嚢水腫の患者数に関する質問表を郵送し、1544の解答を得た。その結果、これまで知られていない地域にも多数の患者が存在することが示された。スリランカ政府が実施している治療方針に、再検討をせまる重要な所見である。また、流行地域が過去数十年間に拡大している可能性が示された。なお、この調査により人口87万人の地域がカバーされた。
(2)尿ELISA: 尿を用いる新しいELISAを開発した。この方法を用いて、フィラリア感染が確認されている住民91人をテストしたところ、87人が陽性となり、ELISAの感受性は96%であった。また、フィラリア非流行地の日本、タイ及びラオスの住民298人をテストしたところ295人が陰性となり、特異性は99%であった。尿サンプルは1か月間保存が可能で、採尿する時間にかかわらず良い結果が得られた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M. Itoh: "Wuchereria bancrofti antigenaemia in Sri Lanka"Tropical Medicine and International Health. 4. 207-210 (1999)

  • [文献書誌] M. Itoh: "Detection of circulating Wuchereria bancrofti antigen, filaria specific IgG and IgG4 in chyluria cases in Japan"Japanese Journal of Tropical Medicine and Hygiene. 27. 483-486 (1999)

  • [文献書誌] 木村 英作: "Eradicable diseaseとしてのリンパ系フィラリア症"医学のあゆみ. 191. 34-38 (1999)

  • [文献書誌] 木村 英作: "リンパ系糸状虫症"Modern Physician. 19. 403-406 (1999)

  • [文献書誌] 木村 英作: "リンパ系フィラリア症"最新医学. 54. 306-314 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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