| 研究概要 |
1.部分空間シューティング法(高次元位相空間を軌道の不安定方向を含む部分空間とその直交補空間に分解して周期軌道を計算する手法)の応用として,カオス的サドルの力学的特徴を近似的に評価しながら,ポアンカレ断面におけるカオス的サドル近傍の点集合を求める手法を提案し,2次元および4次元の写像を用いて基礎的な検討を行った.
2.カオスアトラクタに埋め込まれた不安定周期軌道を探索する不動点反復法を高次元系に適用する場合に収束加速因子の候補数が多くなるという問題点を緩和するため,ポアンカレ写像の減速反復では不動点が計算できないような不安定方向からなる部分空間において,適切な収束加速因子を用いた安定化を行い,その直交補空間においてはポアンカレ写像の減速反復による安定化を行う手法を提案した.
3.部分空間シューティング法を高次元非線形力学系の概周期軌道の計算に応用するための基礎的な検討を行った.
4.相互作用を有する多数の力学系軌道を用いて並列探索を行う大域的最適化手法(散逸ハミルトン力学系をベースとする手法を主な対象とした)の力学的挙動と探索効率に関して,数値実験に基づく比較検討を行った.
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