表面渦格子法等で用いられてきた後流渦による寄与分の計算並びに自由渦形状計算法をMorino法プログラムに取り入れ後流渦形状の非線形計算を行うための計算プログラムを下記のように開発した。 1.翼面及び後流渦中のポテンシャル分布をMorino法に基づき算出。 2.翼面上ポテンシャルから後流渦への誘導速度寄与分は、積分方程式を直接微分して計算。 3.後流渦中ポテンシャル分布から後流渦への誘導速度寄与分は、ポテンシャル分布を離散渦に変換後、Biot-Svartの法則を用いて計算。 4.離散後流渦の各点における速度を上記方法で計算し、Euler法によってδt秒後の位置を決定する。 上記のような方法によって計算された後流渦形状は下記のような問題点を残していることが判明した。また各々に関する対処法についても検討し、下記のような結果を得た。 1.離散渦同士が近接すると渦の特異性によって非現実的な誘導速度を算出する。 対処方法として、離散渦を渦管に置き換えて誘導速度の計算を行う。(非特異化) 2.Euler法を用いた場合、渦の接線方向に点が移動するので、渦の生成が過大評価される。 対処方法として、Runge-Kutta法や予測子-修正子法等の高次な解法を用いる。
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