• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

DNAフィンガープリンティングによる栽培二粒系コムギの起原地の同定

研究課題

研究課題/領域番号 11833011
研究機関神戸大学

研究代表者

森 直樹  神戸大学, 農学部, 助教授 (60230075)

研究分担者 中村 千春  神戸大学, 農学部, 教授 (10144601)
宅見 薫雄  神戸大学, 農学部, 助手 (50249166)
キーワードDNAフィンガープリンティング / SSR(simple sequence repeat) / マイクロサテライト / コムギ / 栽培化 / Aegilops / 遺伝的多様性 / 遺伝資源
研究概要

世界の主要作物であるコムギは、西南アジアの「肥沃な三日月地帯」で野生種から栽培化されて起原した。栽培型のコムギやオオムギの出現は人々の生活形態に画期的な変化をもたらし、ひいては文明をはぐくむ基盤となった。本研究では、栽培コムギの起原を解明するため、以下の研究を行った。
1.精密なフィンガープリンティングを行うため、葉緑体ゲノムに存在する24のSSR(simple sequence repeat)座を探索した(Ishii et al.in press)。コムギの倍数種およびエギロプス属の合計11種43系統を用いて解析したところ、このSSR座は核ゲノムのRFLPとほぼ同等の高い多型性を示した。また、野生4倍性コムギから普通系コムギに至る母系が少なくとも2つ存在することが判明した(Ishii et al.,in press)。
2.栽培二粒系コムギ(T.dicoccum)の起原地を同定するため、世界各地で採集されたT.dicoccumとその祖先野生種であるT.dicoccoidesの合計172系統についてフィンガープリンティングを行った。その結果、大多数(80%)のT.dicoccumがA型ハプロタイプを持つことが判明した。A型は祖先野生種において低い頻度(8.3%)で存在し、トルコの1地域のみに分布することが判明した。この結果は、現存する栽培二粒系コムギに至る母系の数は少なく、メジャーな母系はトルコ中南部の1地域に起原した可能性を強く示唆していた。
3.コムギ・エギロプス属の全ての2倍種16種39系統を用い、24の葉緑体SSR座について解析したところ、種内に比べて種間で大きな多様性が見られ、コムギ・エギロプス両属の葉緑体ゲノムが2倍体のレベルで明瞭に分化していることを示していた。さらに、一粒系コムギにおいて、T.urartuがユニークな葉緑体ゲノムを持つことが判明し、T.urartuは両属2倍種の種分化初期に起原した可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ishii,T.: "Evaluation of allelic diversity at chloroplast microsatellite loci among common wheat and its ancestral species."Theoretical and Applied Genetics. Vol.102(In press). (2001)

  • [文献書誌] 石堂貴夫: "第1同祖群染色体のRFLPからみたコムギ倍数種の遺伝的分化"近畿作物・育種研究. Vol.44. 61-62 (1999)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi