わが国では、先ず上智大学の神学部図書館、キリスト教文化研究所、同志社大学人文科学研究所、国会図書館で調査研究を行った。また、ノートルダム清心女子大学の設立母体であるナミュール・ノートルダム修道女会の日本管区(東京)の古文書室は、この分野の研究には利用価値の極めて高い貴重な史料・文献を多数揃えており、研修日を利用して滞在し、調査研究を行った。それらの調査研究を踏まえて、当時の女性宣教師がアメリカ社会においてどのようなイメージで受けとめられていたか、また女性宣教師自身がどのようなロール・モデルで自分をとらえていたかの分析を進めている。つぎに、ケース・スタディーとして、ノートルダム清心女子大学のエイメ・ジュリー・コーペンハーファとメリー・コスカ・ケンパーのアメリカ時代の経歴を詳細に分析している。これによって、当時の女性宣教師の一般的傾向が、彼女たちの場合にも当てはまるかどうかを検証していく。そして、当時日本で活躍したカトリックの修道会の女性宣教師たちの実像に迫るために、彼女たちが本国に送った書簡や議事録を手がかりにして、その生活と仕事を描き出している。
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