研究課題/領域番号 |
11877103
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
下方 薫 名古屋大学, 医学部, 教授 (10022906)
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研究分担者 |
飯沼 由嗣 名古屋大学, 医学部, 助手 (90303627)
長谷川 好規 名古屋大学, 医学部, 助手 (20270986)
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キーワード | メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 / パルスフィールドゲル電気泳動 / リボタイピイング / 院内感染 / MRSA / PDGE |
研究概要 |
異なる40パルスフィールド・ゲル・電気泳動(PFGE)パターンをとるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)40株について、RiboPrinterによるribotypingを行い、識別能につき比較検討をおこなった。これら40株はすべてRiboPrinterによるRibotypingが可能であり(typeablility 100%)、11RiboGroup(RG)パターンが得られた。PFGEパターンの分析により、類似係数0.7以上を示すものを類似集団(クラスター)と定義した場合、6つのクラスター形成が見られた。これら6つのクラスターに所属するMRSAのRGパターンの比較をおこなったところ、4つのクラスターではそれらに属する菌株の類似度はすべて0.70以上を示し、PFGEとRiboPrinterの解析結果の一致を見た。しかし、その他2つのクラスターではRGパターンの類似度が0.65以下のMRSAがクラスター内に存在し、必ずしも一致は見なかった。 次に名古屋大学医学部附属病院においてMRSA院内感染が疑われた病棟について、プロスペクティブに検出された菌株の菌識別をRiboPrinterとPFGE法で行い、識別能を比較した。2病棟20例の院内感染が疑われた症例のMRSAの解析を行った。病棟A(6症例)ではPFGEで同一パターンの4株はRiboPrinterにおいても同じRGパターンとなった。また病棟B(14症例)ではPFGEで同一パターンの6例と4例はそれぞれ同一かあるいは極めて類似(類似度96%)したRGパターンとなった。これまでの報告通り、RiboPrinterによるribotypingの識別能はPFGEに劣ったが、操作の簡便さや専用データ解析ソフトの添付、あるいは結果判定まで8時間で終了することなど、PFGEより優れている点も多く、お互いのデータの一致度も高いため、病院内感染における菌株識別のツールとして利用価値があるものと考えられた。
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